細野晴臣、松本隆、大瀧詠一、鈴木茂という4人の才能、個性が奇蹟のように集結した伝説のロックバンド「はっぴいえんど」
そのセカンドアルバム「風街ろまん」に収録されているのが「暗闇坂むささび变化」
いきなり「ところは東京麻布十番・・」という歌詞で始まりグレイトフル・デッドも演っていそうな軽快なカントリー調の曲に乗せて歌われるのは古くからの暗闇坂の言い伝え。
地下鉄が通る前の麻布十番はこの歌と暗闇坂に代表されるような、東京の真ん中にぽっかり残された下町な街だったのでしょうね。
青山生まれの松本隆にとっては小中学生の思春期、古い街並みが残る隣町への少冒険の思い出という感覚なのではないでしょうか。
(ご本人からコメントありました。三田への通学路だったそうです)
今の暗闇坂は麻布十番商店街の外れにという位置づけになり元麻布方面へ行き来する人以外はあまり使われていませんが、週末になると暗闇坂の標識を見つけて、青春の栄光時代を懐かしむナイスシニアな方を見かけたりします。
では、鳥居坂の交差点から暗闇坂を登ってみましょう。
鳥居坂の交差点を抜け、さらに麻布十番の商店街を横切ると、暗闇坂の案内標識が見えてきます。
ここが暗闇坂の下の端。この辺りにはその名も暗闇坂宮下という和食の有名店があったりしますが、それはまたいずれ。
狭い一方通行の道ですが自動車の通行は意外と多いです。
最初はかなり急な勾配で路面には滑り止め処理がされています。
まっすぐ100m弱登ると左へ急カーブ。
ちょうどカーブのところ、左側にオーストリア大使館が見えます。
港区内には約70ほどの外国大使館が立地し、さらにそのうち48カ国が麻布エリアです。毎春には各大使館を周って中を見学したりできるスタンプラリーという興味深いイベントがありますので、いずれそちらも紹介します。
大使館前のカーブを過ぎると勾配も緩やかになり坂の頂上が近づきます。
坂の頂上にある案内標識。ここまでが暗闇坂。下から上まで約200mです。
もはや樹木が生い茂ることもなく、普通に寂しい坂ですが、松本隆がこの辺りで遊んであの歌を書いたのかと思うと感慨深いですね。
暗闇坂を登りきって反対側から眺めたところ。
変形四差路になっています。この写真の正面が暗闇坂。
右手方向へ進むと大黒坂を下って麻布十番のパティオに出ます。
左手方向は元麻布ヒルズの下を通り、麻布氷川神社やアルゼンチン大使館方面。
暗闇坂の左、鋭角的になっている道を進むと、狸坂を通ってテレビ朝日通りに出ます。
暗闇坂を経由すると各方面への裏道になるので、自動車にとっては便利な坂道ともいえますね。