サントリー美術館コレクション展:名品ときたま迷品
六本木の東京ミッドタウン内の「サントリー美術館」ではサントリー美術館が収蔵する作品から厳選した《コレクション展 名品ときたま迷品》展が開催されています。
名品と迷品はどちらも ”メイヒン” と発音しますがその扱いは月とスッポン。方や国宝や重要文化財に指定され美術館や博物館に丁寧に収蔵されているかと思えば、片方は昔おじいちゃんが道楽で集めてた古美術みたいな環境でぞんざいに扱われていたり。
でも「迷品」であっても視点を変えれば「名品」になりうるし、その逆もまたしかり。
そこでサントリー美術館の収蔵品の中から「メイヒン」を集めてみたましという展覧会です。
▲会期は2024年4月17日(水)から6月16日(日)まで2ヶ月間。
GW中も開館していますし、特に5月2日から5日までのGW後半は20時までの夜間開館も実施されています。
そしてこの展覧会はサントリー美術館にしては珍しく撮影可能な作品が多く出品されています。しかも撮影可能な作品の中には国宝も含まれているのです。
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写真撮影と鑑賞時間について
写真撮影可能が作品が多いといっても殆どの作品は写真撮影も動画撮影も禁止です。
▲写真撮影OKと明示されている一部の作品だけが写真撮影可能です。
もちろんフラッシュの使用、自撮り棒の使用、一脚/三脚等の使用は禁止ですし、展示室内の風景、他の鑑賞者が写り込む写真の撮影も禁止です。
暗い部屋で展示されているので意図せずフラッシュが炊かれてしまうこともあります。事前にフラッシュがオフになっていることを確認しておきましょう。
▲出展作品数は200点弱。普通に見れば2時間コースですが、これまでにサントリー美術館で展示された作品も多いです。そうした作品はさっと見るようにすれば1時間ちょっとの鑑賞時間になると思います。
漆工と絵画
サントリー美術館は東京ミッドタウンのガレリア3階に受付やミュージアムショップがあります。
でも展示は通常4階から始まります。
エレベーターで4階の展示室へ上がり、階段で3階の展示室へ下りるという動線です。
《名品ときたま迷品》展は全6章の構成で第1章は「漆工」、第2章は「絵画」。写真撮影可能な作品を紹介します。
▲展覧会のキービジュアルとしても使われている「鞠・鞠挟(まり・まりばさみ)」という江戸時代の工芸作品です。
貴族社会で行われていた蹴鞠の鞠とそれを保持する鞠挟という道具。こんな世界があったのかという意味では迷品ですが、その機能性や美しさはまさに名品。いきなり展覧会の核心を突くような作品が展示されています。
それにしてもこの作品、サッカーボール用に現代版をアレンジしたらすごい評判になりそう。
▲鎌倉時代に制作された《浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえてばこ)》。
作者不詳の工芸品ですが緻密な蒔絵の完成度の高さなどもあって国宝に指定されています。
▲これは「笈(おい)」という道具。室町時代のもので作品名は《椿彫木彩漆笈(つばきちょうぼくさいしつおい)》
修験者が仏像や経典・仏具などの他に生活用具も収納してこれを背負い、修行の旅に出たのだそうです。
一見タンスのように見えて、でもよく見ると足元が不安定です。
こんな重そうなものを背負って旅するだけで肉体的にはかなりな修行ですね。
▲こちらは第2章「絵画」セクションの《泰西王侯騎馬図屛風》。
17世紀初頭、桃山時代に描かれた日本では極初期の洋風画です。重要文化財にも指定されています。
オランダで刊行された世界地図に描かれていた図を拡大して書き直したものとのこと。
描かれている人物は左からイギリス王(推定)、フランス王アンリ4世、エチオピア王、ペルシア王。当時の世界の西半分の権力者たちです。
4階の展示室では第3章「陶磁」セクションも展示されています。
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染織、茶の湯の美
4階展示室から階段で3階へ降りると第4章「染織と装身具」、第5章「茶の湯の美」そして第6章「ガラス」と続きます。
▲「染織と装身具」での《緋綸子地葵藤牡丹扇面模様打掛》。江戸時代中期のものです。
手前から室町時代の瀬戸焼《灰釉平茶碗》、江戸時代初期の本阿弥光悦《赤楽茶碗 銘 熟柿》、野々村仁清の《色絵七宝繫文茶碗》。
代表的な名品で迷品でもある織部もあったりする充実した展覧会です。
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チケット情報、アクセス
チケット購入方法
サントリー美術館のチケットの入手方法は2つ。
一つはオンラインで購入する方法。もう一つは当日にサントリー美術館受付で購入する方法です。
サントリー美術館は日時予約制ではないので、チケットがあれば会期中好きな日の好きな時間に入館できます。
入館待ちで行列ができるようなこともなくオンライン購入のメリットもないので、当日ふらっとサントリー美術館へ行って当日券を買うのが良いと思います。
サントリー美術館へのアクセス
六本木の東京ミッドタウンのガレリア3階です。
大江戸線六本木駅ならホームの青山一丁目寄りのエスカレータで上がればそのままミッドタウン。日比谷線六本木駅なら六本木交差点寄りの改札を出れば地下通路経由でミッドタウンに繋がります。
10時から11時までのアクセス方法に注意
サントリー美術館を訪問する際に最も気をつけたいのが10時から11時までのアクセス方法。
というのは、サントリー美術館の開館は10時なのですが、東京ミッドタウンの開館は11時なのです。11時まではミッドタウンのほとんどの入口は閉まっていますし、ほとんどのエスカレータ、エレベーターも稼働していません。
たいていの美術館は開館直後は空いていますから、混雑を避けゆっくり鑑賞するための朝から美術館へ向かうという方も多いでしょう。でもミッドタウンが閉まっていてはサントリー美術館にもたどり着けない・・・
でも大丈夫、ちゃんと10時からのアクセスルートも確保されています。
簡単に言うと、外苑東通り側あるいはキャノピースクエア側1階の「ガレリア入口」が開いているのでそこから入館します。
ガレリアの1階をそのまま芝生広場の方へ進み「P1」エレベーターで3階へ上がれます。
サントリー美術館でも11時以前のアクセス経路を公式に告知しているので参考にどうぞ。
名品ときたま迷品展 基本情報
イベント名 | コレクション展 名品ときたま迷品 |
会場 | サントリー美術館 |
会期 | 2024年4月17日(水) 〜6月16日(日) 火曜日休館 |
時間 | 10:00 – 18:00 (5/2〜5/5、6/15は20:00まで) |
予約 | 不要 |
入館料 | 大人 1,500円、大高 1,000円、中学以下無料 |
撮影 | 展示室内撮影禁止。許可作品のみ写真撮影可能。動画撮影禁止。 |