GWは青山から六本木まで「美術館通り」沿いの美術館・ギャラリーを巡ってみよう

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美術館通り沿いの美術館、ギャラリー

広尾の山種美術館から根津美術館を通って乃木坂の国立新美術館までを一本の道路で繋ぐ「(青山)美術館通り」。この通りの周辺も含めれば大きな美術館から小さくても重要なギャラリーなどが並んでいるので、青山や六本木を散策しながら興味のあるギャラリーを覗いたり、美術館で展覧会を鑑賞したりすることができます。

そこで2023年GWの都心アート巡り紹介として、この美術館通りをメインに六本木から青山にかけてのベスト散策ルートを紹介してみます。

六本木ヒルズ森美術館をスタートに東京ミッドタウン〜国立新美術館〜根津美術館〜山種美術館というのがメインですが、周辺のギャラリー、美術館も紹介します。

距離的には半日もあれば歩けてしまいますが、展覧会というのは真面目に見ると平気で2時間くらい経ってしまいますよね。実際には2回に分けて散策するくらいがベターだと思います。

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六本木ヒルズ 森美術館

まず六本木ヒルズ。ここの森タワーには東京シティビュー、森美術館、森アーツセンターギャラリーと大きな施設が揃っています。

そのうち森美術館では2023年4月19日(水)から約5ヶ月の会期で「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」が開催されす。

▲学校で習う教科を現代アートの入口とし、見たことのない、知らなかった世界に多様な観点から出会う展覧会を目指し50組を超えるアーティストの作品が展示されます。

また屋内展望台「東京シティビュー」では秋に開業する麻布台ヒルズをデザインした「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」を開催中で、森美術館と併せて鑑賞したい展覧会です。

▲また森アーツセンターギャラリーの2023年のGWのイベントは「ディズニー・アニメーション・イマーシブ・エクスペリエンス」という没入型イベントです。

また六本木ヒルズには有名な「ママン」をはじめ蔡國強やオトニエル、さらにけやき坂の「ストリートファニチャー」といったパブリックアートが点在しています。これらも見逃せません。

施設名 森美術館
住所 港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階
休館日 会期中無休
開館時間 10:00 – 22:00 (火曜日は17:00まで)
入館料 展覧会により異なる

ピラミデとcomplex665

六本木は森美術館を中心に現代アートの拠点となってきていて、六本木ヒルズから芋洗坂に向かう途中には「complex665」と「ピラミデ」という現代アートギャラリーが集まるビルがあります。

▲complex664の小山登美夫ギャラリーではトム・サックスの陶芸作品展が予定されています。

その他complex665についてはこちらの記事をどうぞ。

▲特徴的な外観のビラミデビルには4階までぎっしりとギャラリーが入っています。

ピラミデビルのギャラリーについてはこちらの記事をどうぞ。

気をつけたいのは、これらギャラリーの多くは日曜、月曜それと祝日が休廊なのです。

施設名 complex665
住所 港区六本木 6-5-24
施設名 ピラミデ
住所 港区六本木 6-6-9

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サントリー美術館

東京ミッドタウンには「サントリー美術館」があります。主に日本のアートを対象にしている美術館です。

▲サントリー美術館で忘れてはならないのは設計が日本を代表する建築家の隈研吾であること。ミッドタウンという施設の中の美術館ですが、外装からしてもう隈研吾であることがひと目で分かります。

▲館内に入ってもこのように和モダンでルーバーが切られていて隈研吾であることを主張しています。

サントリー美術館の2023年GWは「吹きガラス 妙なるかたち、技の妙」展です。

古の名もなき職人から現代のガラス作家まで、古今東西の特色ある吹きガラス作品による展覧会です。GWということに加え、熱心なファンも多いジャンルでもありかなり混みそうです。

施設名 サントリー美術館
住所 港区赤坂 9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
休館日 火曜日、年末年始、展示替え期間
開館時間 10:00 – 18:00
入館料 展覧会により異なる

21_21 Design Sight

ミッドタウンのもう一つの美術館が「21_21 Design Sight」。サントリー美術館が隈研吾なら21_21はこちらは世界的な建築家である安藤忠雄の設計です。

21_21自体は故三宅一生氏の念願である日本にも国立のデザインミュージアムを作りたいという想いへのワンステップな美術館です。

▲GW中は「The Original」というデザインの展覧会を開催しています。

21_21についての詳細はこちらの記事をどうぞ。

施設名 21_21 Design Sight
住所 港区赤坂 9-7-6
休館日 火曜日、年末年始、展示替え期間
開館時間 11:00 – 19:00
入場料 一般 1,200円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料

TOTOギャラリー・間

東京ミッドタウンから外苑東通りを青山方面へ。乃木坂の駅の先に建つのが「TOTOギャラリー・間(ま)」。通称 ”ギャラ間(ま)” です。

その名の通り陶器メーカーのTOTOが運営する建築とデザインの専門ギャラリーです。普通の美術館やギャラリーと違ってかなりニッチで専門的です。

その代わり建築を専門とする人やマニアの人にとっては聖地みたいなギャラリーなんだそうです。ただ2023年のGWは特に展覧会の予定はないようです。

この辺りでひと休みするなら、桂由美のビルの向こうがで外苑東通り沿いにジャニーズ事務所を眺められる「ニーノ・カフェ」か森の中のカフェみたいな「カフェ・ド・ラペ」が良いですよ。

ギャラリー・間についての詳細はこちらの記事をどうぞ。

で、このギャラ間の隣のコインパーキングのところが通称 ”美術館通り” の終点です。ここから乃木坂トンネルを抜けて骨董通りを渡り六本木通りもさらに渡り、明治通りに突き当たるまでが ”美術館通り”。そこから先が駒沢通りになります。

施設名 TOTOギャリー・間
住所 港区南青山 1-24-3
休館日 月曜日、祝日、夏季休暇、年末年始、展示替え期間
開館時間 11:00 – 18:00
入場料 無料

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国立新美術館

ギャラ間から乃木坂トンネルの上を歩いて国立新美術館へ、あるいは21_21から外苑東通りを渡って新美術館の方へ。

美術館通りのメインとも言えるのが「国立新美術館」でしょう。

▲2023年GWの新美術館は「ルーヴル美術館展 愛を描く」。

メディアでも頻繁に取り上げられ大きな話題にもなっている展覧会です。

4月の平日でも朝から入室待ちの行列ができるほどの人気ですから、日時指定ができるオンラインチケットを事前に購入しておくのがおすすめです。

国立新美術館そのものについてはこちらの記事をどうぞ。

新美術館でのひと休み、天気が良ければ1階の「カフェ コキーユ」、そうでなければ2階が「サロン・ト・テ ロンド」がおすすめです。でも近くの「銀座ウエスト 青山ガーデン」でパンケーキという手もあります。

施設名 国立新美術館
住所 港区六本木 7-22-2
休館日 火曜日
開館時間 10:00 – 18:00 (金土曜日は20:00まで)

国立新美術館の次は青山へ移動です。

国立新美術館の西口を出て乃木坂駅の横の階段を登って美術館通りへ戻るか、乃木坂駅の前の歩道を渡りぐるっと回って美術館通りへ戻るかです。

青山方面へ向かって青山霊園の中を突っ切ります。

根津美術館

青山霊園も抜けて美術館通りをさらに進むと「根津美術館」が見えてきます。
(その前に「秋山庄太郎写真芸術館」があったりしますが現在は休館が続いています)

日本や東洋の古美術コレクションであまりに有名な美術館で、ここも美術館通りのハイライトですね。

▲竹林に囲まれた黒い建物。みどころも多くて初夏の燕子花や秋の紅葉など季節によって変化する庭園、その庭園を見ながら休める「NEZUカフェ」。

▲そして隈研吾が設計を手掛けたこと。このアプローチだけでおおっ! となりますものね。

ちなみに隈研吾さんの設計事務所は根津美術館のご近所さんです。

▲2023年の燕子花すでに満開です。

2023年は「国宝・燕子花図屏風 光琳の生きた時代 1658-1716」として燕子花図屏風をメインに、尾形光琳と同時代の作者たちの作品を取り混ぜ展示しています。

GW中は非常に混雑しますので事前に予約しての訪問がおすすめです。

展覧会名 国宝・燕子花図屏風 光琳の生きた時代 1658-1716
会期 2023年4月15日(土) 〜 5月14日(日)
休館日 月曜日 (5月1日は開館)
入場料 一般 1,500円、学生 1,200円、中学生以下無料
予約方法 オンライン日時予約
施設名 根津美術館
住所 港区南青山 6-5-1
休館日 月曜日・展示替期間・年末年始
開館時間 10:00 – 17:00

根津美術館での休憩はもちろんNEZU CafeがおすすめですがGWというか燕子花の季節は混雑が激しいです。

根津美術館を出て西麻布側に下りたところにある「buik(ビュイック)」とか、逆にみゆき通りを表参道側に行ったパリ風なカフェ「フィガロ」や、さらに先のヨックモックのカフェ「ブルー・ブリック・ラウンジ」など南青山らしいカフェを楽しむのも良いでしょうね

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岡本太郎記念館

根津美術館を出たら「根津美術館前」の信号で反対側に渡り、さらに美術館通りを進んで岡本太郎記念館へ向かいます。

▲200mほど行った小路を右に入ると「岡本太郎記念館」です。(神奈川の岡本太郎美術館とは違います)

2022年中は岡本太郎展への出張などで不在がちなベランダの太陽の塔も今は戻っています。

2023年GWの岡本太郎記念館では「衝動の爪あと」展が開催されています。アトリエに残されていた作品と呼んでよいかも分からない創作過程の絵が展示されています。

もちろんそのアトリエもいつも通りに公開され、写真撮影も可能です。

▲壁に残る ”殺すな!” の文字。これは、あのChim↑Pomによる岡本太郎の「殺すな」のオマージュです。

だいぶ薄れてしまい、知っていればかろうじて読めるかどうか。でも次の時代へ伝えるべき岡本太郎とChim↑Pomのメッセージですからね。

岡本太郎記念館の詳細についてはこちらの記事をどうぞ。

岡本太郎記念館でひと休みとなったらミュージアムカフェの「ア・ピース・オブ・ケーク」が第一候補ですが、ここも休日はかなり混雑します。

骨董通りに出れば青山らしいオシャレなカフェなどが目白押しですが、せっかくなので現代アート作品が展示されている隠れ家カフェ「WALL青山店」を目指したいですね。

展覧会名 衝動の爪あと
会期 2023年3月24日(金) 〜 7月9日(日)
施設名 岡本太郎記念館
住所 港区南青山 6-1-19
休館日 火曜日・年末年始
開館時間 10:00 – 18:00
観覧料 一般 650円、小学生 300円

ヨックモックミュージアム

普通だったら岡本太郎記念館の次は山種美術館で終わりなんですけど、ちょっとだけ寄り道して2020年にオープンした「ヨックモックミュージアム」も訪問してみましょう。

岡本太郎記念館を出て美術館通りとは反対側に向かい、突き当たった道を左に進んで骨董通りを渡ってずっとまっすぐ行けばヨックモックミュージアムです。イージーな道のりです。

▲名前の通りあのお菓子の「ヨックモック」がコレクションしているパブロ・ピカソのテラコッタを所蔵展示する美術館です。

2023年のGWは「ピカソのセラミック -モダンに触れる」展を開催しています。

ヨックモックミュージアムについてはこちらの記事をどうぞ。

ここでひと休みするならミュージアムカフェですね。特にヨックモックが運営するアングランのミニャルディーズという小さいケーキを食べることができます。これが絶品なのです。

展覧会名 「ピカソのセラミック - モダンに触れる」展
会期 2022年10月25日(火) 〜 2023年9月24日(日)
チケット代 一般 1,200円、学生 800円、小学生以下無料
施設名 ヨックモックミュージアム
住所 港区南青山 6-15-1
休館日 月曜日・年末年始
開館時間 10:00 – 17:00

ヨックモックミュージアムから六本木通りへ出ると、美術館通りと六本木通りが交わる「南青山七丁目」交差点です。

ここで六本木通りを渡り(首都高の下をくぐります)、坂道を登ったり下ったりしながら恵比寿の方を目指します。この通りは沿いには安藤忠雄設計のオフィスビルが建っていますがそれ以外は特にトピックスもない平和なエリアです。

7,8分歩くと最後の目的地、山種美術館です。

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山種美術館

山種証券の創始者のコレクションがメインの日本画専門美術館が「山種美術館」です。

この分野では日本を代表する美術館です。

▲2023年GWは「富士と桜」展。

山種美術館の館内は撮影禁止なので写真はありませんがこちらの記事をどうぞ。

展覧会名 【特別展】世界遺産登録10周年記念
富士と桜 ―北斎の富士から土牛の桜まで―
会期 2023年3月11日(土) 〜 5月14日(日)
入館料 一般1,300円、大学生・高校生1,000円、中学生以下無料
きもの特典:きもので来館すると、一般200円引き、大学生・高校生100円引き
施設名 山種美術館
住所 渋谷区広尾3-12-36
休館日 月曜日・年末年始
開館時間 10:00 – 17:00

山種美術館から50mほど先のバス停には恵比寿行きのバスが停まります。恵比寿駅と日赤病院との間をピストン輸送しているバスなので本数も多くバスの時間を気にする必要もなくて便利です。

そのまま恵比寿駅へ行ってしまってもいいのですが、バス停のすぐ近くに「パパスカフェ」があるのでそこでひと休みも良いと思います。ヘミングウェイ的世界をイメージするパパスカフェの中でコンセプトに一番忠実な店舗がここです。

またバスに乗らず歩いて恵比寿駅に向かってもいいですね。途中にはあのチーズ山盛りな「九十九ラーメン」とかバスクチーズケーキの「BELTZ(ベルツ)」など寄り道したくなるところもあります。

東京都写真美術館

恵比寿に来たらもう一つ外せないのが「東京都写真美術館」、通称 ”写美(しゃび)” です。”美術館通り” とはちょっと外れてしまいますが

▲恵比寿ガーデンプレイスの写美は日本で初めての写真と映像に関する総合的な美術館で、展覧会もそのコンセプトに沿ったものばかりです。

▲名前から写真だけの美術館と勘違いされることもありますが、写真技術を使ったアート作品、映像作品などビジュアル的に幅広い分野をカバーしています。

2023年のGW、写真美術館では「深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ」、「土門拳 古寺巡礼」という2つの、対照的な写真展が開催されていて見逃せません。

山種美術館周辺だとあまりレストランなどもないのですが、写美のあるガーデンプレイスまでくれば何を食べようか選択肢に困ることもないと思います。リニューアルした恵比寿ガーデンプレイスが楽しめてお得です。

施設名 東京都写真美術館
住所 目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
休館日 月曜日・年末年始
開館時間 10:00 – 18:00 (木金は20:00まで)

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美術館通り

簡単に ”山種美術館と根津美術館と新美術館そしてサントリー美術館を結ぶ通りです” と紹介されることが多いですが、実際にはその周辺には岡本太郎記念館や21_21などの専門美術館、さらに六本木の現代アートギャラリー群があって美術館通りというよりアートなエリアだというのがよく分かると思います。

いっぺんに訪問するのは時間的に無理なので、実際には六本木エリアと青山エリアに分けて訪問するのが良さそうです。

おすすめルート

またハイライトだけ回ってみるのも良いと思います。目的別のおすすめルートです。

現代アートなルート

岡本太郎記念館 〜 新美術館のねずみっけ 〜 ピラミデ/complex665 〜 森美術館のワールドクラスルーム

表参道の岡本太郎から始めて森美術館で終わるルートです。新美術館のねずみっけは20分くらいあれば十分なので、全部を回っても3時間くらいだと思います。

日本美術を観るルート

根津美術館 〜 山種美術館〜 写真美術館

美術館通りの王道ルート、根津美術館と山種美術館に加え写真美術館で土門拳を観るルートです。

根津美術館から骨董通りで古美術ギャラリーを巡りって山種美術館へ行き、バスで恵比寿駅まで移動すれば歩く距離を抑えられます。

GWや新緑の季節の休日、美術館通りを使って都心のアート巡りとカフェ巡りなどいかがでしょうか。

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