夢うつつの世界 ー 広尾のチェコセンターで知る近代チェコ文学

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夢うつつの世界へ 近代チェコ文学に描かれる〈日本〉

広尾のチェコ大使館に併設される「チェコセンター」で19世紀末から20世紀前半に隆盛となったチェコでのジャポニズム文学をテーマにした展覧会「夢うつつの世界へ 近代チェコ文学に描かれる〈日本〉」が開催されています。

チェコの文学というとフランツ・カフカかミラン・クンデラくらいしか思い浮かばず、そんなジャポニズム文学があったとは知らなかったのでどんな内容かと足を運んでみました。

▲日本でも大きな話題になったアンナ・ツィマの「シブヤで目覚めて」。

現代のチェコ人女性によるジャパネスク小説です。そうか、これに合わせての企画なんですね。

そういえば村上春樹はフランツ・カフカ賞を受賞しているし、チェコから見て日本は今も興味ある観察対象なのでしょうか。


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空想からリアルな日本へ 

19世紀半ばに日本が開国した当時、チェコはまだオーストリア=ハンガリー帝国の一部。

でも開国したばかりの東洋の国への興味・関心は高かったようです。

▲「ゴンパチとコムラサキ」という日本を題材にした小説。”コムラサキ” がヒロインの名前です。

ヨーロッパ系の小説を読むと日本女性の名前として ”ムラサキ” というのが使われることがあるんですけど、もしかしたら元ネタはこれからもしれないですね。

▲東洋趣味が感じられる紀行文なども盛んに出版されていたようです。

▲時代が下るにつれ日本の情報が伝わりリアルなジャパネスクへ。

逆に古き良き日本への憧憬が高まったり。面白いですね。

▲さらに日本文化の多様性にも気付いたり。

この頃にはチェコスロバキア共和国として独立しています。

▲独立前後の20世紀前半がチェコにおけるジャパネスク文学の最高潮だったみたいです。

その後は第二次世界大戦があり、チェコが社会主義陣営になったりでジャパネスク文学は一気に消滅へ向かう訳ですが。

▲タコに襲われる漁師(男性)。

元ネタは言うまでもなく葛飾北斎です。というかタコの描写はそのまんまですね。

こんなところにまでジャパネスクの影響が。

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会場の様子

▲チェコセンター地下の一室だけの展示ですが、展示物の情報が濃いので見ていると時間があっという間に経ってしまいます。

チェコのジャパネスク文学を支えた人たちの物語も濃いですし、日本とチェコの架け橋となった人たちの物語も興味深いです。

カフカもクンデラも出てきませんがこんなに面白いとは。

▲第一次世界大戦中の「シベリア出兵」。日本もウラジオストクへ上陸するのですが、その時の当事者が「チェコ軍団」でした。彼らをロシアの革命軍から救出するというのがシベリア出兵の大義だったので。

そのチェコ軍団の将校や兵士が残した回顧録なども残されているんですね。そこにはウラジオストクで日本軍が朝鮮系の人々を虐殺したという報告も書かれているそうです。

▲展示室の入り口です。

あとビデオも上映しています。

また希望すれば担当者の方から詳細な解説をしてもらうこともできると思います。

チェコの文学というより東欧の国との交流とかに興味がある人にはとっても面白い展覧会だと思います。また村上春樹ファンの人も見逃せないでしょう。

「シブヤで目覚めて」でチェコ文学に興味を持った人も、そこに至るまでチェコの150年に渡るジャパネスクの歴史を知るには良い機会だと思います。

通常は土日は休館ですが、今回の展覧会は会期が長いですし特別に土曜日開館する日もあります。

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チェコセンター東京

東京のチェコセンターは広尾のチェコ大使館に併設されています。

▲日赤通り沿いにあるチェコ共和国大使館の入り口。

チェコ大使館の建物はレーモンド設計事務所によるもの。詳しくはこちらの記事をどうぞ。

▲チェコ政府観光局もあってパンフレットなどももらえます。

パンデミックが落ち着いたら東欧プラハなど旅行してみたいですね。

▲没後10年が経ったハヴェル大統領。

だいたい劇作家が初代大統領というのがチェコらしいですね。

しかもハヴェル氏はアヴァンギャルドなロックをやっていたフランク・ザッパの大ファンでしたし、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのレコードを社会主義体制下のチェコに持ち込んだ人物でもあるというからますます親近感が湧きます。

▲ちょっとした日本風の庭もあります。

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入館方法

▲チェコセンター入り口の様子です。

扉の取っ手がCZECH(チェコ)の頭文字 ‘C” を象っているのがオシャレです。

▲いちおう外交関係の部署なので扉は常時ロックされています。

チェコセンターは1番上のインターフォンで用件を告げてドアのロックを解除してもらいます。
もちろん日本語で大丈夫ですよ。

チェコセンターへの行き方

広尾駅からだと広尾の商店街を進みホームワークスの角を右に曲がります。聖心女子大の南門を過ぎて道なりに進み最初の角を右に曲がります。200mほど歩くと左手にチェコ大使館があります。

それより簡単なのが日赤医療センターから。渋谷駅あるいは恵比寿駅から日赤医療センター行きのバスに乗るか、ちいバスの青山ルート(行き先は六本木ヒルズでも赤坂見附でもかまいません)に乗って日赤医療センターで降ります。日赤通りを広尾方面に300mほど歩くと右手にチェコ大使館です。

基本的に平日だけの開館ですが夜は19時ぎりぎりまで入館できますし、チェコにおけるジャパネスクなんていうニッチだけど深い展覧会が観られる良い機会なので、文学好きな人やチェコ好きな人にはぜひ足を運んで欲しいですね。

夢うつつの世界へ 基本情報

名称 夢うつつの世界へ 近代チェコ文学に描かれる〈日本〉
会場 チェコセンター
住所 渋谷区広尾 2-16-14
会期 2022年2月15日(火) 〜 3月30日(水) 土日祝は休館
3月5日(土)、26日(土)は特別開館
開館時間 10:00 – 19:00
入館料 無料
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