日本の地図づくりの原点。芝公園の古墳のてっぺんに置かれた伊能忠敬の功績を称える碑。なぜこんなところに?

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伊能忠敬の測地原点と日本の経緯度原点

芝公園の中に「芝丸山古墳」という古墳があるのはあまり知られていませんが、その古墳のてっぺんに江戸時代の測量家で地図制作者である伊能忠敬(いのう ただたか)の功績を称える碑が建っていることはもっと知られていません。

伊能忠敬が日本地図を作成するため測量の旅に出かける時、測量の原点とした場所がこの近くにあったということで、この辺りで最も高い古墳のてっぺんに「伊能忠敬測地遺功表」として記念を建てたようです。

伊能忠敬の測量の原点がこの付近(高輪)、そういえば日本の緯度経度の原点として「経緯度原点」もすぐ近くの麻布台にあります

▲これが伊能忠敬測地遺功表。

丸山古墳の頂上に設置されています。

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伊能忠敬

日本史の教科書にも出てくる江戸時代の偉人ですね

隠居して50歳を過ぎてから天体観測や測量の勉強をして身につけ、55歳から74歳で亡くなるまで測量とその結果を元にした地図制作を続けます。

日本の海岸線をほぼ正確に描いた地図「伊能図」は当時の国家機密。日本地図を国外に持ち出そうとしたシーボルトが処分されるといった大事件が起こるなどその逸話には事欠きません。

伊能忠敬が測量の際の原点としたのは「高輪大木戸」。江戸の市中の南の端、高輪にあった門です。そこから先は江戸の市外になるので、測量の原点とするには相応しい場所です。

ただそこに伊能忠敬測地遺功表を建てても不便なので今の芝丸山古墳に碑を建てたようです。

ちなみに高輪大木戸の跡は今も一部が第一京浜(国道15号)沿いに残っています。高輪ゲートウエイ駅の目の前ですね。そういえば高輪大木戸を英語でいうと高輪ゲートウエイだというのが都の説明だったような。

伊能忠敬測地遺功表

芝公園の南端の芝丸山古墳は高さ10m弱。

階段で古墳のてっぺんまで登れば伊能忠敬測地遺功表が見えてきます。

▲伊能忠敬が測量し地図とした日本。

これまで北海道の北側は間宮林蔵とされていましたが、最新の研究ではもしかしたら北海道全体が間宮林蔵のデータを元にして作成しているかもしれないとのこと。

でも本州、四国、九州だけでなく佐渡ヶ島や伊豆七島まで含め、ほぼ全域を測量した伊能忠敬の功績に変わりはありません。

▲銘文です。

東京地学協会が1965年(昭和40年)に建立したことが分かります。

▲古墳の頂上部はこのように広場になっています。

本当はもっと高さがあったようなのですが、江戸時代にそうと知らずに頂上部を削って広場にしちゃったみたいです。たぶん小山があるくらいの認識だったのでしょう。

さらに隣は将軍家の菩提寺である増上寺、古墳のすぐ下には家康を祀る芝東照宮があるので、ここに広場があると何かと便利だったのかもしれません

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芝丸山古墳

勝手に頂上部は削られ、知名度は低いというちょっと可哀相な芝丸山古墳ですが、造られたのは4世紀から5世紀にかけての古墳時代。

さらに古墳としての大きさは100mを超える都内でも最大規模ということで、東京都の指定史跡です。

▲道路や区立芝公園の芝生からでは古墳があるとは分かりづらいですが、芝公園の梅園の方に入ると古墳らしい姿を見ることができます。

▲頂上部へは階段で登ります。

階段は芝公園側にいくつもあって、どれを登っても最終的に頂上部に至ります。

古墳の西側はプリンスホテルですが、ホテルと古墳は直接行き来することはできません。

▲頂上部です。

奥の一番高いところに伊能忠敬測地遺功表があるのが見えます。

写真で右に見える赤いのぼりは「丸山隨身稲荷」。増上寺を護っているというお稲荷さんですから、強力なパワースポットですね。

古墳の南東側に下れば「丸山貝塚」があって、かつてはこの近くまで海が迫っていたことが分かります。古墳に眠る人物はもしかしたら海に関連する人物かもしれないですね。

丸山古墳の見どころ

増上寺の南側に位置する港区芝公園は天気が良いと子ども連れやカップルなどで賑わっていますが、さらに丸山古墳に登ってみようという人はぐっと少なくなります。

でも丸山古墳は秋の紅葉、春の梅や桜などの隠れスポットでもあって地元の人はけっこう利用しているようです。それに東京タワーや増上寺をいつもとは違う角度から見ることができるのも魅力です。

そして伊能忠敬のこんな碑が。伊能忠敬の地図の原点は高輪ですが、日本の緯度経度の原点となる「経緯度原点」もこのすぐ近くです。高輪大木戸跡より近いのです。

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日本経緯度原点

伊能忠敬の時代から地図を作成するのに必要な「測量」という作業。今はGPS(Global Positioning System)で簡単に緯度経度は分かるようになりましたが、それでも精密な位置を測定するには多くの機材を使った作業が必要になります。

その、日本で測量をする際の「原点」となる場所は実は麻布台に置かれています

▲「日本緯度経度原点」です。

日本での経度・緯度を決める基準となる原点です。

▲本当の原点は黒い御影石の間の丸い金属標。

140年前にこの地に建てられた帝大付属天文台(現在の国立天文台)の施設の跡にこの金属標が設置され、ここが日本の経緯度原点として定められたそうです

▲日本の経緯度原点を示す標識。

ちょっと芝生になっているので天気が良い日は近所の人たちが遊んでいたり、近くのスタジオ利用者がお弁当を食べていたり、「原点」という厳しいイメージとは程遠い和んだ雰囲気の場所です。

▲港区の史跡にも指定されていて、その詳しい由来などが解説されています。

1918年から旧日本測地系の座標が定められていましたが、2001年からは日本測地系2000による座標が定められ、2011年の東日本大震災の地震による地殻変動で原点が移動してしまったため、日本測地系2011として新しい座標値が定められたということです。

原点の場所そのものは変わっていませんが、その座標の値が変わっているのです。

なお解説文中に2001年に ”世界測地系が採用され” とあるのは日本測地系2000のことです。アメリカの世界測地系(WGS)とは別物です。紛らわしいんですよね。

▲地味な施設だけに人も少ないかと思いきや、週末などはマニアな方の姿をけっこう見かけたりします。

この大理石の上に乗ってもぜんぜん問題ないので、アメリカンクラブやアフガニスタン大使館あるいは東京タワーなど近くの施設に来た際は、ここにも足を延ばして ”日本の中心” の上に立ってみたいですね。

▲場所は外苑東通りのロシア大使館の脇道の奥。

狸穴坂とは反対側の脇道を入り、アメリカンクラブの前を通り過ぎ、アフガニスタン大使館の手前右側の空き地にその「日本経緯度原点」が設置されています。

行ってみると写真のように大きく白い看板が目に入るのですぐに分かると思います。

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経緯度原点へのアクセス

飯倉の交差点から外苑東通りに入りロシア大使館の手前の路地を入った突き当りです

これは飯倉の交差点から外苑東通りへ入った直後。

前方に機動隊の車両がいっぱい停まっているいるのはロシア大使館です。

警備ボックスがあって反射ベストを着た警官が立っていますね。その路地を入った奥が経緯度原点です。

伊能忠敬測地遺功表

名称 伊能忠敬測地遺功表
所在地 芝丸山古墳
住所 港区芝公園4-8-25
最寄駅 大江戸線 赤羽橋駅、三田線 芝公園駅
料金 無料

日本経緯度原点

所在地 港区麻布台 2-18-1
経度 東経139度44分28秒8869
緯度 北緯35度39分29秒1572
原点方位角 32度20分46秒209
料金 無料
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