スペイン大使館で開催されたガウディをSDGsの先駆者として捉えた展覧会。まるでバルセロナに行ったかのよう。

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アントニ・ガウディとSDGs

スペイン、カタルーニャの建築家アントニ・ガウディを新しい視点から捉え直したユニークな展覧会が駐日スペイン大使館で2022年に開催されました。

スペイン大使館と東京工芸大学の”色の国際科学芸術研究センター”との共催で2022年3月31日まで。残り会期も僅かですが、桜見物などでアークヒルズや桜坂などを訪問するなら絶対一緒に観ておきたい展覧会です。

会場は駐日スペイン大使館の展示室ですが、事前の予約も不要、観覧料も無料。こんなご時世ですが身分を証明するものも不要。フラッと訪れてそのまま見学することができます

▲アントニ・ガウディ。

バルセロナにサグラダ・ファミリア(聖家族教会)など多くの建築作品を遺し、そうしたガウディ作品がまとめて世界遺産登録されているという、まさにスペインを代表する建築家。

日本では特にサグラダ・ファミリアの設計者としてその名が有名ですね。

今回の「SDGsの先駆者 アントニ・ガウディ 形と色-150年前からのヒント-」はそのタイトルが物語っている通り、ガウディをSDGs(持続可能な開発目標)の先駆者として捉え、その視点からガウディの業績を紹介する展覧会です。

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水と風と大地

ガウディは水や空気といった自然エネルギーを活用するデザインを試みたり自然の形態にインスピレーションを得た設計を行っていました。

没後100年近くになるガウディのそうした特徴をSDGsの先見性と見なして、展覧会は3つのテーマから彼の作品を紹介しています。

▲3つのテーマは「水(Aqua)」、「風(Aire)」そして「大地(Tierra)」。

それぞれのテーマに沿って、ガウディの様々な試みやデザインそして作品が紹介されています。

▲あまりに有名なバルセロナのグエル公園はもともとは住宅地にするはずだったもの。売れなかったので放棄され最後は公園になりましたが、住宅地の水問題を解決するためにガウディは雨水を濾過する仕組みを考案したました。

その概要図がこれです。

濾過され貯水された水は最後はトカゲの口から吐き出され供給されます。

トカゲ!?

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グエル公園のトカゲ

グエル公園の世界一有名なトカゲです。

▲さすがに本物は持って来れないのでレプリカですが、あのグエル公園のトカゲ(のレプリカ)が大きく展示されています。

しかも見学者が少ないので周りに誰もいません。

▲大きさも本物と同じですね

▲グエル公園に行ったことがある人は分かると思いますが、本物にこんなに近寄ったり一人で記念撮影するなんて到底不可能。

いつ行っても世界中からの観光客が行列もしないで記念撮影を撮りまくっていますから。

▲実際のグエル公園はだいたいこの写真のような状況です。

この写真を見ても人に隠れて肝心のトカゲがよく見えませんね。

そんな大人気のトカゲ(のレプリカ)を独占できるのですから、それだけでもこの展覧会に行く価値があるかも

▲このグエル公園もガウディの作品なので、その模型も。

真ん中のギリシャ風劇場の前の階段にトカゲが見えますね。

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サグラダ・ファミリア

ガウディといえばサグラダ・ファミリア。

この展覧会でも大きく取り上げられています。

▲これはサグラダ・ファミリアの登楼の10分の1サイズのレプリカ。

あの尖塔のてっぺんにはこんなのが付いているんですね

▲これは教会の柱頭。

いろいろな形状のものが使われているようです。
(展示の都合で上下逆さまに展示されています)

▲これもサグラダ・ファミリアで使用されているギリシャ風の柱。

▲ガウディは「生誕のファサード」つまりサグラダ・ファミリアの正門を着色しようかと考えていたようなのですが、どのように着色するか資料が残されていないそうです。

そこでAI(人工知能)を使い、彩色したらどうなるかのシミュレーションを行っていました。これはこれで面白い試みですね

バルセロナのガウディ

他にもガウディ作品が紹介されています。

▲これはバルセロナの有名な「カサ・バトリョ」の窓の模型です

▲向こうに見えるのは「カサ・ミラ」の煙突と換気塔、それとグエル農園の換気装置。

どれも空気を利用するのに、自然からそのデザインインスピレーションを得ているのですね。

▲そんな100年以上昔にデザインされた建築パーツと、ガラスの天井の向こうに見える超近代的なビルの対比もまた感慨深いものがあります。

ガウディの全貌みたいな大規模な展覧会ではありませんが、新しい視点で捉え直し今までとは違うガウディ観を提示する刺激的な展覧会でした。

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駐日スペイン大使館の場所

さて、会場となるスペイン大使館の最寄り駅は南北線の六本木一丁目駅。

▲3番出口を出てスペイン坂を登り、変則五差路をまっすぐ進んで広い道に出たら左へ10mです。

向かいはスウェーデン大使館

▲スペイン坂を登るのは大変なので、六本木一丁目の駅で改札を出たら泉ガーデンのエスカレータを昇り続け泉屋博古館分館の先を左へ曲がって行くこともできます。

写真のようなスペイン大使館の正門があるはずです。

あるいは日比谷線の神谷町駅から城山ガーデンを抜けてスウェーデン大使館の横を抜けると正面がスペイン大使館です。

スペイン大使館への入館方法

あっけないほど簡単です。

▲展覧会中の開館時間は10時から17時まで。土日は休館です。

気をつけたいのが金曜日。金曜日だけは開館が16時まで。つまり1時間早く閉まってしまいます。

ただ入館にあたっての事前予約などは不要なので、都合の良い時にフラッと訪問して鑑賞できます。

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正門の横が大使館の入り口ですから、そこで「ガウディ展を鑑賞しに来た」と告げればOKです。

スタッフは日本人なのでアメリカ大使館みたいに英語で会話する必要はありませんし、スマホなどを預ける必要もありません。

ただ荷物のチェックと金属探知機によるボディチェックだけは必要です。

また館内は撮影禁止なのでそこだけはくれぐれも注意してください。

レプリカとはいえグエル公園のトカゲをじっくり見れて、他人に邪魔されずに記念撮影できるだけでもスゴいことです。また ”サグラダ・ファミリアのガウディ” だけでないSDGsの先駆者として捉える視点も興味深く、近くに来る機会があったらぜひ見学したい展覧会です

3月下旬にはアークヒルズ一帯は桜が見頃の季節ですから、アークヒルズや桜坂の桜見物と合わせてスペイン大使館でガウディなどどうでしょう。

SDGsの先駆者 アントニ・ガウディ 形と色 基本情報

名称 SDGsの先駆者 アントニ・ガウディ 形と色
会場 駐日スペイン大使館 展示室
会期 2022年3月10日(木) 〜 2022年3月31日(木)
開館日 月〜金曜日
開館時間 10:00 〜 17:00 (金曜日は16:00まで)
観覧料 無料
予約方法 予約不要

 

駐日スペイン大使館 基本情報

施設名 駐日スペイン大使館
住所 港区六本木 1-3-29
最寄駅 六本木一丁目駅、神谷町駅

 

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