江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし
原宿の浮世絵専門の美術館、太田記念美術館でネコが登場する浮世絵、ネコが主人公の浮世絵などを集めた展覧会「江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし」展が開催されています。
どの浮世絵にも必ずネコが登場していますから、世のネコ好きすべてが今真っ先に足を運びたい展覧会です。もちろん浮世絵ファンの方も。
▲会期は2023年4月1日(土)から5月28日(日)まで。しかも、GW前までの前期とGWに入ってからの後期に分かれているのですが、前期と後期で全作品が入れ替わります。つまりすべてのネコを観るには前期と後期の2回足を運ばなければなりません。
浮世絵ですから時代は江戸時代から明治初期まで。その時代の日本のネコたちの姿や人間からの愛され方を見ると、時代が変わっても人とネコの関わりは変わらないんだなぁということがよく分かる展覧会です。
会期は2ヶ月と短いですけど、やっぱり前期、後期の2回とも足を運びたいですね。2回目は入場料が200円引きになりますし。
▲太田記念美術館は館内、展示室内とも写真も動画も撮影禁止です。そのため展覧会の写真はなくてパンフレットだけ紹介します。
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ネコづくし
江戸にゃんこ展は章立てになっていて全5部構成。そして展示されているすべての浮世絵にネコが登場します。
猫は変幻自在
江戸時代末期の浮世絵師、歌川国芳が猫を描いた浮世絵がこれでもかと展示されているのが第1章「猫は変幻自在 国芳の名作大集合」。
有名な猫の当字(あてじ)の浮世絵が5作。たこ、うなぎ、かつお、ふぐ、なまず の文字に変形した猫たちです。
他にも猫を擬人化して歌舞伎や狂言を演らせたり百面相をさせたりした作品など。江戸にゃんこ展の半分近く、1階展示室がこの歌川国芳の作品で占められていて、国芳のネコ愛が伺われます。
ふりむけば、猫
2階展示室には第2章「ふりむけば、猫 猫と暮らす江戸ライフ」。これはネコが描かれている風俗画や美人画などです。よく見ないとどこにネコがいるのか分からない作品もあったりしてネコを探すのも楽しいです。
それにしても、ネコの生態は江戸時代からまったく変わってないんですね。
猫が紡ぐ物語
2回展示室には第3章「猫が紡ぐ物語 説く、化ける、仇を討つ」も。
ここではネコが物語の主人公になっている作品が展示されています。猫が猫として主人公になるもの、古今の物語の登場人物を擬人化されたネコが演じているものなどです。それだけ人間と近い関係を保ってきたのですね。
猫に祈る
2階展示室から地下展示室にかけては第4章「猫に祈る 害をはらい、福を呼ぶ」。
ネズミを捕る、つまり害をはらったり、招き猫のように福を呼ぶネコたち。そうした信仰の対象としてのネコが様々なかたちで描かれた浮世絵が展示されています。
猫と遊べば
地下展示室には最終章「猫と遊べば おもちゃ絵の世界」が展示されています。
明治期の作品が多いのですが、文明開化な時代の世相を描いた浮世絵や子ども向けのおもちゃ絵などが展示されています。
このように5部構成でネコが描かれた浮世絵が約180点。ネコ絵だけにささっと観るわけにもいかず、全部鑑賞するのに1時間以上はみておく必要があります。
でもネコ好きでなくてもこれは楽しめる展覧会です。GW前までの前期展示、GW突入後の後期展示、どちらも足を運びましょう。
ちなみに、開幕直後の平日に訪問しましたが、すべての浮世絵の前に常に1人以上のお客さんがいるような状況で非常に混んでいます。平日なら入館待ちになるほどではないですが、週末などは行列ができるようになるかもしれません。
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太田記念美術館
江戸にゃんこ展の会場となっているのは原宿の裏通りにある「太田記念美術館」です。
原宿の教会通りにオープンしたのが1980年。40年以上も浮世絵愛好家たちに愛され続けている美術館ですが、最近はTwitterでの発言が面白いと話題で20万人近いフォロワーがいたりします。
そして14,000点という膨大な浮世絵のコレクションをメインに、様々な切り口からの展覧会を年間数本開催しています。
(年間スケジュール)
原宿のこんな場所に浮世絵専門の美術館があるというのも意外ですが、こうした本格的で現代的な企画展もぜひチェックしておきたい美術館です。
▲太田記念美術館への入館は個人ならば予約不要。というか予約するシステムが今はありません。10名以上の団体の場合だけ事前予約が必要です。
また支払いは現金のみです。クレジットカード、電子マネーなどは一切利用できません。でも教会通りから表参道に出たところに都市銀行のATMがあるのでいざとなればそこで引き出せばなんとかなると思います。
写真撮影も動画撮影も館内、展示室内とも禁止です。モバイル端末を使用することも禁止です。その辺りの運用はかなり厳しく、スマホを出して声がけされている人をよく見かけるので気をつけたいです。
美術館の建物の中は1階、2階それと地下に展示室があり、江戸にゃんこ展はすべての展示室を使って開催されています。
この ”大田記念” というのは東邦生命保険の創業者一族の大田清蔵氏のコレクションを一般公開する場としての美術館だから。50年間にわたり浮世絵を収集し、亡くなるまでその全体は家族も知らなかったという。コレクターの鑑のような方です。
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太田記念美術館の場所とアクセス
太田記念美術館はSDA東京中央教会へ向かう通称「教会通り」沿いです。
神宮橋の交差点から表参道を青山方面へ向かうとソフトバンクのすぐ先にこのような目立つ案内板があります。この看板のところで左の路地入れば教会通りです。
▲逆に神宮前の交差点から原宿駅の方に向かっても案内板がよく目立ちます。
この案内板の矢印の通りに右に曲がれば教会通りです。
▲教会通りに入って30mほど行くと左手にレンガの建物が見えてきて、これが太田記念美術館です。
向かいには大きな看板もあるのでまず迷うことはありません。
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太田記念美術館とその周辺
ラフォーレ原宿
▲太田記念美術館の建物の向こう側にラフォーレ原宿の建物が見えますね。
実は太田記念美術館、その位置的にはラフォーレ原宿のちょうど裏側にあたります。
▲ラフォーレ原宿側だと2.5Fの源氏山テラス。ショップでいうと ”GR8” を出た眼の前です。
ベンチも用意されているので江戸にゃんこ鑑賞後の休憩場所としも利用できますし、ラフォーレでショッピングや食事もいいですね。
手ぬぐい屋 かまわぬ
太田記念美術館の地下には手ぬぐい屋さんが入っています。
▲代官山の手ぬぐい屋「かまわぬ」の原宿店です。
浮世絵をあしらったりモチーフにした原宿店限定の手ぬぐいも多く、浮世絵のお土産に手ぬぐいというのは良い組み合わせですね。
花泥棒
教会通りからモーツァルト通りに曲がったところのおすすめの喫茶店。
原宿で時が止まったかのようなレトロ喫茶。でも1970年代から営業している老舗隠れ家カフェ。
浮世絵ネコづくしの後の感想会にぴったりです。
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江戸にゃんこ展、きっと混んでいるだろうなと思って訪問したところ想像以上にお客さんが多くてびっくりしました。浮世絵ファンだけでなくネコ好きまで足を運んでいるのでいつもの展覧会とは混み方が違います。
とにかくGW前の前期中に1回、GWに入ってから後期にもう1回。2回は足を運んで江戸時代に浮世絵に描かれたネコたちをじっくり鑑賞してみましょう。
江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし 基本情報
名称 | 江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし |
会場 | 太田記念美術館 |
会期 | 2023年4月1日(土) 〜 5月28日(日) 前期 4月1日〜4月25日 後期 4月29日〜5月28日 |
休館日 | 月曜日、4月26日〜28日 |
撮影 | 撮影禁止、モバイル機器の使用も禁止 |
入場料 | 一般 1,200円、大高生 800円、中学生以下 無料 現金のみ |
予約 | 予約不要 |
太田記念美術館 基本情報
住所 | 渋谷区神宮前 1-10-10 |
最寄駅 | JR原宿駅、東京メトロ神宮前駅 |
休館日 | 月曜日 |
開館時間 | 10:30 − 17:30 |
撮影 | 館内撮影禁止 |