Les Deux Magots Paris (ドゥ マゴ パリ)
東急文化村(Bunkamura)のカフェ「Les Deux Magots Paris (ドゥ マゴ パリ)」は、Bunkamuraとオープンを同時にしている創業30年を超える老舗カフェです。
でも東急本店の建物が2023年1月で閉店し取り壊されることになり、隣接するBunkamuraも改修工事のため長期休業に入る予定です。
▲Bunkamuraがリニューアルされた後、またこの場所にドゥ・マゴ・パリが戻ってくるのか、それとも別の場所に移転して営業するのか店を閉じるのか。現時点ではまだ決まったことはないみたいです。
ドゥマゴパリの営業は2023年4月9日(日)。この老舗カフェでコーヒーを楽しめるのもあと僅かな期間しかありません。
ただ2023年6月から宮益坂下の渋谷TOEI跡地に移転する「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」内にスタンドカフェとして移転することが決まったそうなので名前だけは残っていくようです。
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サン=ジェルマン=デ=プレのドゥ・マゴ
パリのサン=ジェルマン=デ=プレに店を構える老舗カフェ「ドゥ・マゴ」がBunkamuraのドゥ・マゴ・パリの母体。パリのドゥ・マゴと業務提携し店名をライセンスしたようです。
▲パリのドゥ・マゴがオープンしたのは1812年。19世紀に入ったばかりで、日本はまだ江戸時代ですね。
店名は当時パリで流行っていた「中国のドゥ・マゴ」つまり「2体の中国人形」という芝居から取られたそうです。
なのでBunkamuraのドゥ・マゴにもこの写真のような2体の中国人形が飾られています。
ただカフェとして営業を始めたのは1885年。それにしても100年以上の歴史ですね。
▲店内の壁には20世紀のパリの写真が飾られています。ピカソもいればエッフェル塔の下をくぐる飛行機も。もしかして2024年パリ五輪への引き継ぎ式でエッフェル塔の上を飛行機が飛んだあれはこの写真をヒントにしているのかも。
そんなパリの老舗カフェのドゥ・マゴはオープン当初はヴェルレーヌやランボーが常連客だったというから眼がくらくらしますね。
その後も実存主義の哲学者や芸術家がたむろするような、パリがまだ世界の中心だった時代のサンジェルマンデプレを代表するようなカフェでした。
サルトルとボーヴォワールはドゥ・マゴを仕事場にしていたそうですし。
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ドゥマゴ文学賞
パリのドゥ・マゴは1933年から「ドゥ・マゴ賞」という文学賞を創設し、そのためドゥ・マゴ = 文学という一般的なイメージが世界的に定着するんですね。
ただサルトルはカフェの客を、ドゥ・マゴ = 老文学者、フロール(ライバルのカフェ) = 若い文学者 と分類しているので、パリでのドゥ・マゴ賞の位置付けは日本で思っているのと微妙に違っているかもしれません。
▲そのパリのドゥ・マゴ賞のコンセプトを受け継いで創設された「Bunkamuraドゥマゴ賞」。
選考方法がちょっとユニークです。
▲Bunkamuraのドゥマゴパリもドゥ・マゴの名前を冠しているので、Bunkamuraドゥマゴ賞関連のコーナーもあります。
過去の受賞作品が並んでいます。
▲過去のBunkamuraドゥマゴ賞の受賞作品のプレート。
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ドゥマゴパリのデザートセット
これまでドゥマゴパリでいただいたデザートセットを何種類か紹介します。
ケーキとコーヒーがセットになったドゥマゴパリでも人気のメニューです。
▲これは「オレンジとショコラ」。
▲これは「オレンジとショコラ」。
濃厚なショコラケーキにオレンジピールが乗っています。
かなり甘くて濃厚なチョコレートケーキ。
▲黒いチョコレートの上にちょこんと金箔が乗っているのが贅沢ですね。
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▲そしてこれはタルトタタン。
これぞ本場のタルトタタンという感じでドゥマゴパリでもお気に入りのケーキ。
そして一番のおすすめです。
▲たっぷりズッシリなリンゴ、りんご、林檎。そして生クリーム。
これだけでお腹がいっぱいになるようなタルトタタンです。
▲コーヒーは濃い目のフレンチなコーヒー。
そしてお代わり自由です。
ケーキの種類は多くありませんがドリンクは珈琲から紅茶まで種類豊富。
▲Bunkamuraのザ・ミュージアムのミュージアムカフェとしての位置づけもあるので、開催中の展覧会とのコラボメニューもあります。
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ドゥマゴパリのカフェ店内
ドゥマゴパリは店内席と広々としたテラス席。席数はテラス席の方が2倍くらいあります。
▲ここにも2体の中国人形。
店名はLes Deux Magots TokyoじゃなくてParisなんですね・・・
▲このような木製のシックなテーブルが並んでいます。
▲全体ではこのくらい。
本来はもっとテーブルがあるんですけど、今はテーブル数を減らしています。
▲奥には個室もあったりします。
▲店頭に並んでいるのはテラス席ではなくてウェイティング用の椅子ですね。
やっぱり週末とかコンサートがある日は客席から溢れるほど混むんでしょうね。
▲窓から見えていたクマ2頭。
店内でよく見たらワインも飲み干すほどリラックスしているんですね、これが本当のリラックマ。
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ドゥマゴパリのレストラン店内
ドゥマゴパリのカフェから階段を上がるとレストランです。Bunkamuraとしては1階フロアになります。
▲ここにも2体の中国人形。
ただ今は出入り口はB1F、つまりカフェ経由になっています。
▲下のカフェから吹き抜けになっているのでレストランフロア自体はそれほど広くはありません。
でもすぐ外はシアターコクーンなので、観劇の前後にちょっと小腹をというのがパリ風なオシャレな利用方法なのでしょう。
▲カウンター席が中央にあって、他に4人掛けくらいの席がいくつか用意されています。
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コースターの言葉
テーブルに置かれるコースターもドゥ・マゴらしい含蓄に富んだものです。
▲コースターにはオーストリアの作家シュテファン・ツヴァイクの遺作「昨日の世界」からの一節が書かれています。
Cafe house was the best cultural source for all novelty.
黄昏れつつあるヨーロッパ文明を振り返る作品に描かれている、コーヒーハウスが文化の中心的な役割を果たしていたWW2以前の世界。その代表的なカフェだったドゥ・マゴにぴったりな言葉でしょう。
(ツヴァイク自身はドゥ・マゴとは関係ないので、ウィーンやベルリンのカフェを念頭にしているのだと思いますが)
テラス席
そしてドゥマゴパリのテラス席。Bunkamura地下1階の「スパイン広場」を全部使っていて、吹き抜けの気持ちの良い空間です。
▲冬なのでヒーターも出ていますし、毛布なども用意されています。
▲お店の前にテーブルがずらっと並んでいますね。
▲最近新しくなったらしい、Les Deux Magots Parisと書かれたクリームホワイトのテーブル。
最大4人座れます。椅子が足りなかったら他の空いているテーブルからかき集めて。
▲こっちは緑色のテーブル。
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オーダーとチェック
▲普通のヨーロッパのカフェと同じで、テーブルからスタッフを呼んでオーダーを伝え、お勘定もテーブルチェックです。
ただ混んでいる時は店頭の椅子に座って順番が来るのを待つしかありません。
▲向かいに見える本屋はナディフです。
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ドゥマゴパリの場所と行き方
Bunkamuraなので渋谷駅からも井の頭線の神泉駅からも徒歩数分。
渋谷駅からはその名も”文化村通り” というちょっと恥ずかしい名前の通りを行けばOK。
神泉の駅からはBunkamuraのサイトを見てもらうのが早いですね。
▲1階のシアターコクーンの向かいにエスカレーターがあるのでそこから下りればスパイン広場。エスカレーターを降りた眼の前がドゥマゴパリです。
1階のエスカレーターの前にもドゥマゴパリがありますが、それはレストランの入り口。今はカフェもレストランも地下1階の出入り口は使うようになっています。
Bunkamuraでの展覧会や映画の後などはもちろん、奥渋の散策と合わせてのフレンチカフェなどまさに ”文化” な感じですね。
2023年4月9日という期限が見えているので、後々で後悔しないよう早めにもう一回は利用しておきたいです。3月の春休み以降は大混雑必至だと思います。
Les Deux Magots Paris (ドュ マゴ パリ) 基本情報
店名 | Les Deux Magots Paris (ドュ マゴ パリ) |
住所 | 渋谷区道玄坂 2-24-1 |
最寄駅 | 渋谷駅、神泉駅 |
定休日 | なし |
営業時間 | 11:30 – 22:00 (月〜土) 11:30 – 21:00 (日祝) |
予約 | 食べログで予約 |
禁煙・喫煙 | 禁煙 |