廃墟化が話題の代官山、本当は今はどうなっている? 実は新陳代謝の真っ最中でした。

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代官山

”あのお洒落な街、代官山が廃墟化している” と話題のようです。家賃が高いから、各駅しか停まらないからなど、やっかみ半分で原因を語る人は多いけど本当のところはどうでしょう。代官山はけっこう頻繁に訪れる街ですが、廃墟化しているという実感はないけど思い当たる節がない訳でもないので改めて今の代官山をみてみましょう。

もともとの代官山は地主であった朝倉家と建築家の槇文彦が時間をかけ文化的な街づくりをしてきた歴史があり、それもあって70年代から90年代にかけてファッションやアートなど東京の文化発信の街として多くの人を惹きつけてきたのです。

ただ21世紀に入ってからは原宿化が進んだりT-SITEができて本来の代官山カルチャーを知らない客層が増えたり、インバウンド客が増えたり感染症のパンデミックがあったりと街も訪れる人も変化しています。

街も人も変わったところもあれば変わらない部分もあり、さて本当に廃墟化しているのか見てみましょう。

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代官山駅

たぶん ”廃墟化” とまでは言えないまでも久しぶりに代官山駅から降りてびっくりするのが駅前かもしれません。特に中央口

▲中央口前は昔からずっとカフェだったのですが空き家の時期が続いていました。それで駅前が廃墟とか言われてしまったのですが、2023年12月から「miffy cafe tokyo」というテーマカフェがオープンします。

絵本作家ディック・ブルーナが描くミッフィーをテーマとしたカフェで店頭には大きなミッフィーの人形が設置されています。

しかもデザイナーとしてのディック・ブルーナに影響を受けた日本のトップデザイナー佐藤可士和(さとう・かしわ)がロゴや店舗のデザインを手掛けていることでも話題です。オープンしたらさらに話題になると思います。

▲こちらの恵比寿西方面の続く道沿いには少し前まで串カツ屋がありました(その前はコンビニ)。地元の人以外に代官山の駅前で串カツを食べる人が居たとは思えないのですが。

今はちょっと見では分からない焼肉屋さんです。串カツ屋だったら廃墟説を裏付ける強力な傍証になったのでしょう。

またもう一軒のコンビニが入る建物ではずっと大阪王将が営業していたのですがそこは今はピラティスになっています。地元の人以外に代官山の駅前で餃子を食べる人が居たとは思えないのですが。

他にも中央口のビルにはテナントが入っていなかったりみずほ銀行のATMが廃止されたりしています。

ただ串カツ屋も王将も原宿化した代官山に集まる人に向けた業態で、パンデミックでそうした人が激減したので撤退したのも当然だろうなぁという気がします。

みずほのATMが無くなるのも代官山だから廃止なのではなく、唯一の負け組メガバンクみずほのコスト削減策の一つでしかないのであまり気になりません。

▲代官山駅中央口の目の前に2023年10月に開業したのが「代官山フォレストゲート」です。複数の商業施設を含むレジデンスで八幡通り側の建物がフォレストゲートのメイン棟、駅側はTENOHA棟というカフェやイベントスペースになっています。
(テナントはまだ一部が未開業です)

代官山駅と八幡通りの間はフォレストゲートを通じて通り抜けできるので、開業後は代官山の人の流れがまた変わりそうです。

そしてその開業後には中央口周辺のビルのテナントもまた埋まってくると思うのです。

フォレストゲート代官山についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

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旧山手通り

代官山の街は旧山手通りと八幡通りがメインストリートで、その周辺のエリアに感度の高いショップや隠れ家のような飲食店が点在しています。

▲旧山手通りと八幡通りが交わる「代官山交番前」の交差点。

週末も平日も人が多いですね。

ヒルサイドテラスもテナントが埋まっていますし、その裏には東京音大が移転してきて中目黒までお洒落エリアが続きます。

▲おなじみになった一心の行列。

▲ハリウッドランチマーケットも健在ですよ。ハイ!スタンダードなど代官山には4店舗5店あります。

▲リニューアルされたカフェミケランジェロは週末ともなると隣のデンマーク大使館前まで入店待ちの行列が伸びています。

それ以外にも古くからの飲食店やショップは元気ですし、またコンランショップやルーフカフェ/ルーフミュージアムなど気になるショップも増えています。

▲ヒルサイドテラスのヒルサイドカフェ

▲裏のエリアもショップが並んでいますし新しい施設、ショップが増えています

写真左端はメゾンキツネ、写真奥には代官山フォレストゲート。この写真は平日ですけど、実は多くの欧米系インバウンド客が歩いていて代官山の人気度が分かります。

とてもじゃないですけど ”廃墟” を感じる部分はありませんし、健全に街の新陳代謝が行われているなぁというのが実感です。

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八幡通りとフォレストゲート

代官山のもう一つのメインストリートが八幡通り(はちまんどおり)。

▲旧山手通りから代官山の街を突っ切り明治通りを越え、名前の由来でもある金王八幡宮の脇を通って六本木通りまでさらに青山通りまで続く道路です。

▲八幡通りは旧山手通り沿いに近い方がお洒落度が高く、明治通り、つまり渋谷に近づくほど日常度が上がります。

この八幡通りの新顔が2023年10月に開業したフォレストゲートです。

賃貸住宅と商業施設の入る複合施設ですが、地下フロアにはザ・ガーデン自由が丘(シェルガーデン)が入ります。

セブン&アイ系列のザ・ガーデン自由が丘と代官山のアドレスのピーコックストア(イオン系列)のつばぜり合いがどうなるのか気になっていたのですが、それぞれまったく異なるターゲットを想定しているようです。

代官山アドレス

スーパーのピーコックストアが入るのが新しい代官山のシンボル「代官山アドレス」。

▲それまでの旧同潤会アパートの跡に再開発された高級レジデンスや公共施設を含む複合施設です。

やはり代官山アドレスが直接の原因ではないにせよ、それ以前と以後では街の雰囲気や訪問客の層がガラッと変わったという意味ではシンボリックな存在です。

▲取り壊し前の同潤会アパート。写真など資料は代官山アドレス内で見ることができます

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ログロード代官山とエスペランザ通り

最初に ”思い当たる節がない訳でもない” と書いたのはログロード代官山とエスペランザ通り(キャッスルストリート)のこと。

Shinsakabashi Booksのような代官山らしい書店も出現したりはしています。

▲代官山駅から代官山通りを下るとこの交差点。

Coffee or Beerの看板を右へ曲がった先にあるのが地下化される前の東横線の線路跡を整備した「ログロード代官山」、曲がらず真っ直ぐ進むとエスペランザ通り(キャッスルストリートとも)。

▲2015年に鳴り物入りでオープンしたログロード代官山ですが現在営業しているのは2店舗だけ。

端っこのNo.1とNo5だけです。

▲間の3軒分は空き店舗になっていて、たぶんここを歩けば ”廃墟だ” と思うかもしれません。

でもよく分からないコンセプトの店舗が撤退したおかげで、いい感じに隠れ家感が増して良かったかもしれません。

たぶん東急としては渋谷駅〜渋谷リバーストリート〜渋谷ブリッジ〜四反道跨線橋〜ログロード代官山という回遊エリアを想定していそうなので、今後数年というスパンでみるとログロード代官山自体は店舗や人の流れが増えるのだろうと思います。

廃墟感が感じられるのは今だけかもしれません。

▲誰が名付けたか「エスペランザ通り」。キャッスルストリートという呼ぶ人も多いと思います。

ログロードは東横線の線路跡にできた新しいエリアですがこの通りは昔からの通り。代官山の駅から代官山通りを下った先で、この先は山手線以外何もないエリアです。

▲駅に近い方は建物は新しめに見えても空き店舗が目立ちます。

でもこのエリアは本来の代官山の客層ではなく原宿化した代官山の客層相手なのでパンデミックで店を閉めてそのまんまなのでは。

これからインバウンド客が本格的に戻れば復活しそうですし、ログロードと同様に数年スパンでみれば今まで以上に注目されるかも。

▲やばいのはエスペランザ通りの下の方(駅から北の方)ですね。

本当にシャッター通りになりかけていて、閉じられたままのシャッターにはグラフィティが描かれてたりします。ここで写真を撮られたら代官山は廃墟だと思われてしまうかもしれません。

でも結局ここもパンデミック後の新しい人の流れ、客層に合わせて変化していくところなのだと思います。新しくショップが集まるのか再開発という形になるのかわかりませんが。

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代官山の今

見てきたように、代官山のメインストリートである旧山手通り、八幡通り、そしてその裏に広がるお洒落エリアは廃墟どころか今まさにポストパンデミックな時代への新陳代謝中のようです。

ログロード代官山とエスペランザ通りはたしかに一部を切り取れば ”廃墟化” と誤解されるかもしれませんが、ポテンシャル的にはそう見えるのは一時的なもの。

結局、”代官山が廃墟化している” というのは代官山のメインエリアをあまり知らない人が一部を取り上げてそう言っているだけのようです。

代官山 基本情報

住所 渋谷区代官山町
最寄駅 東急東横線代官山駅
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