カレッタ汐留
2002年末に国鉄民営化後に旧汐留駅跡地の再開発の一環として鳴り物で開業した複合商業施設の「カレッタ汐留」。開業したての頃は、週末には駐車場待ちの長い車列ができるほど注目され、また大手広告代理店の電通の文字通りお膝元でもあってクリエイターなど感度の高い人も利用する湾岸エリアのお洒落スポットとしても人気があったそうです。
それから20年が経ち、今はどのような賑わいを見せているのか訪問してみました。もっとも、カレッタ汐留の実情というのは打ち合わせなどで電通や隣の青い航空会社などを訪れている人はよく分かっていると思います・・・
▲「カレッタ汐留」といってもそのような名前のビルがあるわけではなく、電通本社が入るビルの低層階と最上階のエリアを合わせて「カレッタ汐留」と呼んでいます。
ガラス張りの電通の本社ビルはフランスの建築家ジャン・ヌーヴェルによる設計。低層階のカレッタ汐留の部分は六本木ヒルズも手掛けたアメリカの建築家ジャン・ジャーディによるデザインです。
写真は平日のランチタイムのもの。カレッタ汐留のB2Fに位置する広場 ”カレッタプラザ” です。
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カレッタプラザとパブリックアート
JR新橋駅や地下鉄の新橋駅から地下通路を歩いてくると数分でカレッタ汐留。
この辺りは地上でこっちのビルからあっちのビルへと移動するのは結構大変なのですが、地下ならカレッタ汐留、汐留シティセンター、日本テレビの間をすいすい移動できちゃいます。
これは中国の現代美術家、蔡國強(さい・こっきょう、ツァイ・グオチャン)の作品「亀の噴水」です。
中国伝統の亀甲模様をモチーフにしています。
蔡國強の作品は同時期に開業した六本木のグランドハイアット東京のエントランスにも大きな作品が展示されています。それだけ注目されていた作家なのです。
▲B2Fのプラザからはよく分かりませんが、上から覗き込めばこれは紛うことない蔡國強の作品。
▲これ以外にも奈良の ”せんとくん” でも知れらる彫刻家、籔内佐斗司(やぶうち・さとし)の作品もあります。
場所はカレッタ汐留内の渓谷をイメージしたエントランスエリア。
(本来は水も流れています)
▲蓮の葉の朝露を飲む「朝露童子」という作品。それと金色の太陽のオブジェ「日輪坊」とセットの作品です。
また、電通ビルにはオノ・ヨーコやオラファー・エリアソン、坂本龍一にジュリアン・オピー作品もあったりします。(多くは電通社内なので普通は見られません)
▲カレッタプラザにはテーブルも置かれちょっと休憩するにもピッタリ。
▲またクリスマスシーズンにはカレッタプラザ全体を使ったイルミネーションが行われています。
パンデミックで中止される年が続きましたが、2023年からはまた復活すると思います。
電通四季劇場(海)
カレッタ汐留には日本で唯一の広告に関する博物館「アドミュージアム東京」と劇団四季が公演を行う「電通四季劇場(海)」が文化施設として入っています。
アドミュージアム東京は別記事で紹介するのでまずは電通四季劇場から。
▲2023年1月から8月までは設備の保守点検のため休演中でしたが、2023年8月27日から「アラジン」の公演が再開されています。
劇場への行き方は2つ。
1つはカレッタプラザのこの階段から。1Fレベルまで上がれば劇場入口です。
▲あるいはこの入口(ゲートA)から入り、丸亀製麺の先のエレベーターで1Fへ上がれば降りたエレベーターの目の前が劇場です。
劇団四季はウォーターズ竹芝に専用劇場が3つ、お台場の有明にも劇場がありますが、交通の便で言えばここが一番アクセスしやすいですね。
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カレッタ汐留のレストラン街
さて問題のレストラン街です。カレッタ汐留のB2F。つまりカレッタプラザもあるメインのフロアです。
▲電通側のゲートCからカレッタ汐留に入るとサラダ専門店とコンビニは営業していましたが、それ以外の飲食店がほとんど見当たりません。
見える範囲はシャッターが降りていて、いわゆるシャッター商店街のようになっています。本当にここがカレッタ汐留か心配になる人もいるのでしょう、「この先営業中」と書かれていてさらに先に進むよう促しています。
▲奥に進むとカレー屋とパスタ屋それにそば屋といったファーストフード系の飲食が営業していますが、半分以上の店舗スペースは空き家になっています。
▲汐留でランチを食べるなら空いていて良いのですが、選り取り見取りというほど選択肢もありません。
カレッタ汐留のイタリアンレストランでディナーデートみたいなことはもう無理みたいですし、ファーストフートのマクドナルドさえも撤退しています。
四季で観劇した後もカレッタ汐留で食事をするより新橋で考えた方が良いでしょう。
▲最近「汐留横丁」という名称でテコ入れが図られ、居酒屋など新規テナントが入っています。
▲最初は居酒屋や会員制のバー、その後は順次イタリアンやカフェなどが順次オープンしていく予定です。
パンデミックでテレワークが進んだことで一気に飲食店が減り、カレッタ汐留自体への人出が減っていましたが、これでまた少しは賑わいを取り戻すことでしょう。
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高層階のSKY RESTRAUNT
カレッタ汐留は電通のビルの低層階だけでなく高層階も含めてカレッタ汐留です。
では高層階、46Fと47Fの今を見てみましょう。
直通エレベーターの出発地はB2Fです。
この時エレベーターの外側に都心部の景色が一望出来て、これがまず最初のスペクタクル。
すぐ近くに見えるガラス張りのビルはお隣の汐留シティセンター。その先には皇居も見えます。
▲エレベーターを降りたところには日本の現代美術家で、もの派の代表的アーティスト関根伸夫の「豊穣の海」という作品が設置されています。
アート作品だと分からず上に登る不届き者が多かったのか、無粋にも今はこのように規制線が張られ立入禁止になっています。
▲46Fと47Fには6+1、つまり7店舗分のスペースがあって営業しているのは6店舗です。たぶん眺望的には一番で内容もデート向きだったソラシオだけが閉店してしまい空きスペースになっています。
庶民的な居酒屋「北海道」や東京タワーなど夜景が見えるダイニングバーは営業しているので、カレッタ汐留で食事をするならスカイレストランへ上がることを考えてみてください。あるいは隣の汐留シティセンターへ。そちらならもっと選択肢はあります。
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無料展望台 スカイビュー
カレッタ汐留というか電通本社ビルの46Fの一角はスカイビュー(SkyView)という展望台になっています。
六本木ヒルズとは違って無料。誰でも直通エレベーターで46Fまで上がって自由に利用できます
その代わり、展望できる範囲が狭いのと、展望台自体も狭いです。
▲足元には浜離宮恩賜庭園。
その向こうにはレインボーブリッジとお台場、さらにその先には羽田に離着陸する飛行機も見ることが出来ます。
▲これは更地になった築地市場の跡と晴海のオリンピック選手村、今は晴海フラッグを結ぶ築地大橋です。
左右に流れる川は隅田川。勝どき橋(勝鬨橋)も見えますね。
▲広角で見るとこんな感じ。実際目に見えるのもこんな景色です。
東京タワーもスカイツリーも見えないのが残念ですが、夜になればレインボーブリッジやお台場の夜景も見えてそこそこドラマティックです。
夜はスカイレストランが閉まる23時まで利用できるので、湾岸エリアの夜景スポットとしても面白いでしょう。とにかく空いていて無料というのはポイントが高いです。
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カレッタ汐留の場所とアクセス
カレッタ汐留の低層階はここで紹介したみたいな感じなので、簡単なランチぐらいしか利用できなさそうです。劇団四季の観劇前後の食事なら46Fのスカイレストランへ。
また気分転換や湾岸の夜景を楽しむなら無料で利用できるスカイビューへ。
そんなカレッタ汐留へのアクセスは新橋駅から地下通路を通るのが無難です。駅から徒歩数分。
大江戸線なら汐留駅の新橋駅方面出口を出ればすぐ目の前にカレッタプラザが広がっています。
カレッタ汐留 基本情報
名称 | カレッタ汐留 |
住所 | 港区東新橋 1-8-1 |
最寄駅 | 大江戸線汐留駅、ゆりかもめ汐留駅、新橋駅 |
駐車場 | 400円/20分、24時間最大2,000円 |
営業 | 10:00 − 20:00 (ショップ) 11:00 − 23:00 (レストラン) *) 店舗により営業時間が異なる |