キラー通りと青山通りを結ぶ南青山の「ボチボチ通り」では隈研吾設計のビルが2つも見られる。その名前の由来は?

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南青山のボチボチ通り

外苑前駅の近く、住所でいうと南青山に「ボチボチ通り」という一風変わった名前の通りがあります。

関西だったら ”儲かってまっかぁ?” ”ぼちぼちでんな” とか ”ぼちぼちいこか~” みたいな会話が成立しますけど、東京のしかも南青山でボチボチ通りとはどうしてこのような名前が付けられたのでしょうか。

青山通りとキラー通り(外苑西通り)を結ぶ近道で外苑前駅と南青山方面を行き来する人には便利なのですが、そういう人はたぶん少数派でしょう。

クルマだとキラー通りから青山通り方向への一方通行なので結局一周して元に戻ってしまい、ボチボチ通り沿いに駐車場がある人以外には何の意味もない道路です。

▲カジュアルな名前なので誰ともなく言い出した通称かと思えば、この「ボチボチ通り」は地元商店街が名前を公募して決めた準公式な名称なのです。位置付け的には青山通りと国立競技場を結ぶ「スタジアム通り」やスタジアム通りとキラー通りを結ぶ「熊野通り」と同じものです。

またボチボチ通りの両端には国立競技場の設計でも知られる世界的な建築家、隈研吾氏が設計した建物があるのです

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ボチボチ通り

青山通り側からキラー通りの方へボチボチ通りを歩いてみます。

▲外苑前交差点から表参道方面へ歩いて歩道橋の手前、左へ入る小路が「ボチボチ通り」です。

「ボチボチ通り」を示す看板もなく「梅窓院 祖師堂」の案内が目印です。

この写真で工事の囲いの中に梅窓院の大きな石碑があるので、工事が終わったらその石碑が目印になります。

ちなみにこの工事はSubway(サブウェイ)があった場所の工事で、また新しいテナントが入るのでしょう。

▲ボチボチ通りへ入ってすぐ道なりに右へ進むと左手に竹林が見えてきます。

これが梅窓院の祖師堂です。

目隠しには竹が使われ、外観は縦ルーバー。見ただけで隈研吾だと分かる建物です。

▲さらに左手には梅窓院のぼ墓地(ぼち)、右側には大小オフィスビルが建ち並び、最後はポストモダンな大きな建築が見えてきます。

▲キラー通りに出る手前からこれまで歩いてきた方向を振り返ってみます。

青山通りからキラー通りに出るここまで150mほど。

南青山三丁目の交差点を経由すれば250mくらいですから距離で100m、時間で1分ほど短縮できたことになります。

▲キラー通りから見たところ。

巨大な円柱が目立つビルが隈研吾設計のドーリック南青山ビル、その手前の小路がボチボチ通りです。

▲左手から出てくるのがボチボチ通りですね。

そのまま真っ直ぐキラー通りを進めば青山霊園(青山墓地)です。

つまり、梅窓院の墓地(ぼち)から青山墓地(ぼち)を結ぶ道路なので「ボチボチ通り」なのでしょう。名称が決まったのが30年以上前で正確な由来は分かりませんが。

ちなみにこのボチボチ通りの下は笄川です。このまま外苑西通り沿いに西麻布〜広尾と流れ、最後に天現寺橋で古川に合流します。

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キラー通りの範囲

麻布ガイドでは外苑西通り、キラー通り、プラチナ通りを書き分けています。

外苑西通りは白金台の交差点から白金6丁目〜天現寺橋〜西麻布〜南青山三丁目〜仙寿院前〜四谷三丁目と続く道路ですね。

そのうち白金台の交差点から白金6丁目までの区間をプラチナ通りと表記する場合があります。

問題はキラー通りでして、麻布ガイドでは「青山橋」の信号からビクタースタジオのある「仙寿院前」交差点までを「キラー通り」と表記しています。

ガイドブックなどでは南青山三丁目の交差点から北側をキラー通りしたり、南側を曖昧にしているものが多いみたいですが、青山橋の北側が南青山、南側は西麻布という意識があるので、青山橋を境界にしています

ドーリック南青山

それではボチボチ通りのキラー通り側の端に建つ「ドーリック南青山」を見てみましょう。

▲1階と2階はデンマークの家具メーカー、フリッツ・ハンセンのアジアで唯一の直営店が入っています。

1991年に竣工した、隈研吾の建築としては初期のものです。後に代名詞にもなる和風の素材やデザインはまだなく、ポストモダン時代の建築です。

環八沿いの今は斎場となっているM2ビルとは同時期に同テイストで建てられたものです。

▲キラー通りで向かいから見たところ。

円柱になっている部分はエレベーターだそうです。

三角形の敷地に三角形の建造物を建てています。使える土地があったらなんとか建物を作って資産価値を上げようというバブル期ならではの発想が伺えます。

▲これは南青山三丁目交差点側から見たドーリック南青山。

ベランダがあったり、後付っぽい非常階段があったり。隈研吾さん的には黒歴史なのかしれません。

梅窓院

ドーリック南青山から10年ほど過ぎた2003年に竣工した梅窓院。

この間に今の隈研吾の作風を確立しているので、ドーリック南青山と梅窓院は同じ建築家によるものとは思えないほど違います。

▲ルーバー、竹林。

最新技術とトレンドを使いながらも和モダンなテイスト。

▲梅窓院というと青山通りからこの竹林の通路を抜けるお寺という印象があると思います。

▲これは境内にある本堂です。

お寺とは思えないモダンさに驚きます

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ボチボチ通りの場所とアクセス

最寄り駅は東京メトロ銀座線 外苑前駅です。

駅の1a出口から出て50m先の小路が「ボチボチ通り」です。

▲サブウェイが閉店してしまったので、歩道橋下のファミマの脇の小路と覚えておくとよいでしょう

▲キラー通り側はこの先に電車の駅などはなく、いったん青山通り側に戻ることになります。

ただこの先の信号(ノリピーの元旦那の実家、スキーショップジローがあるところ)を左に入ると青山墓地です。まさに墓地から墓地へ。

桜の季節には見事な桜のトンネルができるので、隈研吾建築と桜あるいはその先の国立新美術館でのアートと桜など、季節に応じて様々な楽しみ方ができます

ドーリック南青山 基本情報

ビル名 ドーリック南青山
住所 港区南青山2-27-14
最寄駅 東京メトロ外苑前駅

梅窓院 基本情報

寺院名 長青山 梅窓院
住所 港区南青山2-26-38
最寄駅 東京メトロ外苑前駅
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