ベルリン ✕ 東京の友好都市30周年。記念のテープアート作品をドイツ大使館の壁面で公開中

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南麻布のドイツ大使館

数多い港区内の大使館のうち広尾駅近くの南麻布に位置するのが「ドイツ連邦共和国大使館」、通称 ”ドイツ大使館” です。

南部坂を挟んで有栖川宮記念公園と隣接しています。元麻布から南部坂を下って広尾に抜けようとすると、右側に有栖川公園、左側にナショナル麻布の手前までずっと壁が続いているのが分かります。この壁の内側がドイツ大使館とドイツ大使公邸です。

戦前は永田町にあったドイツ大使館ですが、空襲で建物は焼失したうえ、戦後はGHQに土地を接収されてしまったそうです。日本もドイツも敗戦国だったのでアメリカに文句は言えなかったのでしょう。

その後、日本政府が補償の意味もあって(当時の)1円でこの南麻布の土地を(当時の)西ドイツへ売却したのだそうです。

▲ドイツ大使館の正門前から南部坂の上を見たところ。坂の上の大使公邸の正門までコンクリートの壁が続いているのが分かります。

この壁には毎年その年にちなんだ壁画が描かれ道行く人の目を楽しませてくれます。

2021年は日独交流160年記念、2022年はアインシュタイン来日100年、2023年は「ドイツ発見(Discover Germany)」をテーマにした観光写真でした。

そして2024年はベルリンと東京の友好都市提携30周年記念アートです。

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ドイツ連邦共和国とベルリン

第二次大戦後、西ドイツと東ドイツ(ドイツ民主共和国)に分断されていたドイツが再統一されたのが1990年。

それからほどなくした1994年にベルリンと東京が友好都市となりました。どちらも芸術と文化の「都」であってクリエイティブでイノベーティブな文化がボコボコ出現する、でもいわゆる西洋文明としては辺境の地という共通点があります。

ベルリンと東京

友好都市提携30周年の今年はベルリンのアーティストグループ「TAPE THAT」によるテープアートのインスタレーションがドイツ大使館の壁面を使って展開されています。

でも壁の下側、ナショナル麻布側の大パネルも見もの、

▲BERLIN x TOKYO という文字が目立つ大パネル。

▲BERLINの文字の下はベルリンの街のシルエットですね。

有名なベルリンテレビ塔やブランデンブルグ門が見えますね。

▲こちらはTOKYO側。

スカイタワー、フジテレビ、東京タワー、新宿の高層ビル街、なぜかエンパイアステートビル、そして都庁などが見えますね。

それより日本人にとっては忘れられない地名、ポツダムって旧東ドイツだったんですね。

では気に入った写真、場所を紹介します。本当は全部で16枚あるので、ここで紹介し切れなかった残りはぜひドイツ大使館へ足を運んでみてください。

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テープアート

TAPE THATによるテープアートのインスタレーションは南部坂の下の大使館入口から坂の上の大使公邸までの壁を使って展開されています。

▲南部坂の下から上を見たところ。

ただ例年に比べると空間が目立っています。たぶん日本文化の特徴的な「間」を意識したものだと思います。

▲全て粘着テープを使って制作されています。制作の様子はTAPE THATで見ることができます。

幾何学模様の表現主義的なものからグラフィティぽいものとか表現の幅が広いですね

▲ここは一番グラフィティ的な要素を感じるセクション。

後ろに見えるバウハウス丸出しなドイツ大使館でその対比も面白いです

▲これは坂の下を見下ろしたところ中心街の超高層ビル群です。

だだっ広いエリアの真ん中に高層ビルが建ち並ぶ様子はサンフランシスコなどアメリカの都市みたいにも見えます。

北部ニーダーザクセン州ブラウンシュヴァイク市の旧市役所庁舎。

▲これは坂の上の方。

ベルリンと東京という異質でありながら共通項も多い都市を舞台にしたアートとして、非常に楽しめる作品です。

最低でも2024年暮れまでは見ることができますから、広尾や南麻布へ行く機会があったらこのドイツ大使館の壁画も忘れずに見ておきたいです。

TAPE THAT

今回のアートインスタレーションを制作したのはベルリンを拠点としてアーティストグループ(アートコレクティブ)の「TAPE THAT」。(インスタは @tape.that)

▲グラフィティぽいタグ。ちゃんと粘着テープが入っているんですね

また粘着テープを貼る向きを変えたり重ね貼りすることで複雑な表現をしていることがよく分かります

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ドイツ大使公邸と庭園

この壁面のアートインスタレーション以外にもドイツ大使館と大使公邸は見ておくポイントがあります。

実はこの土地は日本政府が1円で売却する前は小泉策太郎という政治家の敷地でした。彼は古美術収集家だったので立派な庭園を築き集めた美術品を庭園に配置していたようなのです。

▲今でもその庭園や四阿などは残っているのですが、ドイツ大使館には一般公開のようなイベントはないのでドイツ大使館から招待でもされない限り内部に入って鑑賞することはできません。

坂の上の大使公邸正門脇に建つ「不老門」刻まれた立て石。詳しい由来は不明ですが小泉策太郎が収集した品のようです。

▲これは大使館の敷地の東端の「武家門」。

これも小泉策太郎がどこからか移設してきたもので詳しい由来は不明。もっともドイツ大使館は何か資料を持っているかもしれませんが。

ドイツ大使館沿いに南部坂を上り、大使館の先の角を右へ曲がった少し先からまたドイツ大使館の壁が続きます。その途中にこの「武家門」があります。柵越しで見ることになりますがいったいいつ頃のものか、どこから持ってきたのか観察してみて欲しいです。

さらに武家門のある壁沿いに道なりにどんどん進むとフランス大使公邸に突き当たります。ドイツ大使館とフランス大使館て意外と近いんですね。

ドイツ大使館の場所とアクセス

麻布十番や元麻布側からの場合、元麻布運動場やありすいきいきプラザから広尾の方へ下って行くと四角い黒い建物が見えてきます。

▲ドイツ大使館の本館です

ここから有栖川公園の下まで続く坂道が「南部坂」。港区には名前の由来も同じもう一つの ”南部坂” がありますが、こちらは忠臣蔵とは関係ない南部坂です。

広尾駅からは1番出口を出て有栖川公園の方に向かい、ナショナル麻布から南部坂を上がればするにドイツ大使館です。

ドイツ大使館の壁画の場所

ドイツ大使館の南部坂沿いの壁に描かれています。

麻布十番と広尾の間は歩ける距離なので、壁画を見ながら麻布十番から広尾へ、あるいはその逆向きで散歩してみるのも楽しいでしょう。

有栖川公園やナショナル麻布を訪問する際はドイツ大使館の壁画も併せて見学してみてください。

ドイツ大使館 基本情報

名称 駐日ドイツ連邦共和国大使館
住所 港区南麻布 4-5-10
最寄駅 広尾駅
開館時間 月曜〜木曜の11:00 – 12:00(ビザ・パスポートの受取)
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